僕を守るもの

僕を捨てたもの

僕を支えたもの

 

いつからだったのかなぁ こんなに強くなったのは

 

偽者の強さに僕は守られていたような気がした

 

 

「ねぇ、見て見て!!!!」

君が、ふと後ろを歩く僕を振り返って、にぃって笑う

つられるままに見上げた、大きな空には

真っ赤な真っ赤な太陽

あぁ、もう夕方なんだ 真っ赤だね

「綺麗だねーーーー」

君は相変わらずにこにこしながら、僕の傍に来て

軽く手を握った

 

夕焼けを見ると、思い出すことって

なんだか知らないけど 嫌なことばっかりでさ

昔 火事で焼けちゃった僕の大好きな家や

大嫌いだった かあさんやとうさんが燃える姿だとか

グロテスクな夢は希望と入り交ざって

ひとりぼっちになった僕の背中を いやに強く押すんだ

 

「綺麗だけど、赤いよね、火みたい」

ぽろって出た僕の言葉

でも、君は当然のことのようにきょとんとして

「火みたいって・・・太陽は火だもん。当たり前じゃない??」

あぁ、そうだっけか

じゃあ、なんで昼間は太陽って白いんだろうね

 

目の前で燃え盛った太陽は

夕日にカタチを変えて、君の瞳を虜にした

僕は 嫌なことを死ぬほど思い出した

自分が燃える気がして 胸クソが悪かった

 

 

「そんなに綺麗だと思うんなら、あん中飛び込んじゃえば???」

 



驚いたような君の瞳が忘れられない

僕は君が好きだよ

 

燃えた 僕の大事な何か



・・・・・・・・・・・・・・・頭がガンガンする

 


偽の記憶が刷り込まれるかのように

セロハンのように 真っ赤でどす黒い夕日の中

 

僕は 君の柔らかい手を小さく小さく握り返した

 

 

END











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